脚がむずむずしたり、ほてったりするなどの不快感が起こる病気を「むずむず脚症候群」または、「レストレスレッグス症候群」といいます。日本では人口の4%程度の患者がいると推測されています。特に60~70歳代に多く、また、男性よりも女性に多く見られ、夕方から夜にかけて多く起こり、睡眠の妨げにもなってしまいます。
むずむず脚症候群は、同じ姿勢で動かないときや寝ているときなどの安静時に、太もも、ふくらはぎ、足の指、足の裏などに虫がはうような感覚や、ほてりやかゆみ、痛みなどの症状が現れ、脚を動かしたいという強い欲求が起こり、脚を動かしたり歩いたり、軽くたたいたりすることでおさまります。かゆみを脚の深部に感じることが特徴で、人によっては脚のみならず腰から背中、腕や手など全身にまで症状が現れることがあります。
むずむず脚症候群の原因は明らかになっていませんが、脳の神経伝達物質であるドーパミンの機能が低下することで、運動に関する情報がコントロールされずに脚の不快感が起こるとされています。他にも、遺伝子やドーパミンの生成に必要な鉄分の不足が原因の一つと考えられています。症状が軽い場合は、鉄分の多い食品を摂るように心掛けたり、夕方以降は症状を誘発するカフェイン・ニコチン・アルコールを控えたりするなど、生活習慣を見直すことが大切です。症状が重い場合は、医師の判断で鉄剤やドーパミン系薬剤などの薬による治療が行われます。