サルコペニアとは
サルコペニアとは、加齢などの影響で、筋肉量の減少や筋力が低下してしまう状態をいいます。60歳代以降は、若い頃よりも食事の量が少なくなりがちです。栄養不足になると、筋肉の原料となるタンパク質が摂れず、徐々に筋肉量が減少してしまいます。そのため75歳以上になるとサルコペニアになる人が急増しています。
サルコペニアになると、全身にいろいろな影響が出てしまいます。手足の筋肉が減少することでまず歩く速度が遅くなり、着替えや入浴などの動作が困難になっていきます。体を支える筋力の低下は、体のバランスに影響し、転倒や骨折の危険を生じたり、噛む筋力の低下はしっかり噛むことができず、柔らかいものばかりを食べることで、さらなる噛む筋力の低下に繋がったりします。このままでは介護が必要になる前段階のフレイル(虚弱状態)に進む可能性が高くなります。
サルコペニア対策
サルコペニアの対策として、しっかりと食事をしてタンパク質を摂ることが大切です。人のタンパク質を構成するアミノ酸はすべて大事ですが、特にそのうち BCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)は筋肉の保持や増量に重要で、1日2食を目安に肉や魚などを摂りましょう。卵、豆腐、納豆、牛乳など手軽にタンパク質が摂れる食品もお勧めです。食事とともに筋肉の維持には適度な運動も必須であり、散歩やラジオ体操、ストレッチなど無理なく続けられる運動を見つけ、毎日少しずつでもできることに取り組みながら寝たきりを予防しましょう。