家にこもりがちでさほど運動もしないままダラダラと食べ続ける、もしくは日頃から感染症に負けないためにと意識してしっかりと食事を摂っていると、いつの間にか体重が増えていたということはありませんか?増えすぎた体重は簡単に減らせるものではありません。そこでよくある食事量の制限、食べ物の種類や調理方法の変更以外に「ファスティング」といういわゆる断食をする方法があります。
通常、食べ物が口から入って、分解、吸収、排泄されるまでの24時間から48時間の間、胃や腸はずっと働いています。それをファスティングにより食事をしないことで体の臓器を休ませることができると言われています。食事をしないと体が疲れやすくなると思われがちですが、そうではありません。体がエネルギー不足を感知すると肝臓に蓄えられたグリコーゲン(ブドウ糖がつながった多糖類)が利用され、さらにそのままエネルギー不足となると肝臓で脂肪を分解した物質(ケトン体)が糖に代わりエネルギーとして使われるので、脂肪が消費されるようになります。さらに飢餓状態になると、もともと体に備わっている細胞が自分自身を食べて新しく生まれ変わるというしくみ、オートファジー機能が働きます。オートファジーにより食べ過ぎや加齢による体へのダメージがリセットされ、体が内側から新しくよみがえり、古くなった細胞が生まれ変わっていきます。
ファスティングの具体的な方法の一つとして、17時頃までに夜の食事を済ませ、その後12~16時間程度食事をしないという食生活を1日おき、もしくは週に1~2回行う、あるいは期間を決めて自由に設定します。一定の空腹時間の後に食事をする際には、いきなり大量の食べ物を食べ過ぎると血糖値が急に上昇し体に負担がかかるため、少量から食べ始めます。なお、ファスティングは、子供や高齢者、妊婦・授乳婦、持病のある人などは栄養不足にならないよう慎重に行いましょう。