毎朝、決まった時刻に自然と目が覚めるという習慣、これは人の体が時計のようなリズムを刻んでいるからです。このリズムを体内時計といい、体内時計をもとに体は一日の活動に合わせて体温、血圧、ホルモン分泌、エネルギー消費などの機能をコントロールしています。体内時計は24時間より少し長く(標準的な人で24時間15分程度)、うまく機能させるには、社会的な1日の単位である24時間に合わせる必要があります。
体内時計が狂うと・・・
体内時計は、脳の中で目から伸びる視神経が交叉する視交叉上核よいう場所にあり、朝起きて浴びる強い光を目の網膜が感知すると時計が早まり、リセットされます。そのため毎朝、太陽の光を浴びながら15~30分散歩すると効果的と言われています。逆に、夜にスマホやパソコン、蛍光灯などの明るい光を浴びると今は昼間だと脳は判断して、体内時計がずれてしまい、睡眠を促すメラトニンというホルモンの分泌が抑制されて眠れなくなります。すると朝の起床が遅くなり、体内時計がさらに後ろへずれてしまう悪循環が生じると考えられています。体内時計のリズムが狂うと日中のだるさなど様々な不調を引き起こし、睡眠障害、うつ病、肥満、糖尿病、ホルモン分泌の乱れ、がん発症のリスクが高まる可能性もあります。
体内時計を狂わせないために
体内時計は、脳だけではなく肝臓、肺、腎臓などにもそれぞれあり、それらは光ではなく、朝起きて朝食を食べること、特に糖質やタンパク質を摂るという刺激でリズムがリセットされ動き始める仕組みになっています。すべての体内時計がきちんと揃うように、毎日決まった時刻に起床し、朝食を摂り、夜には強い光を避けて就寝するという規則正しい生活をして、体の健康を保ちましょう。