◆腎臓の働き
腎臓は体内の老廃物を尿として排泄する重要な臓器で、背中側の腰より少し高い位置に左右各1個、計2個あります。腎臓にはネフロンという最小の構成単位があり、腎臓1個に対して100万もの数があります。このネフロンの障害が腎機能障害に直結します。
また、腎臓はエリスロポエチンなどのホルモンを作ったり、ビタミンDを活性型にしたりします。機能が落ちても痛みなどの自覚症状が現れにくいため、肝臓と共に「沈黙の臓器」といわれます。
◆腎機能低下の要因
腎臓の病気としては、腎炎、腎不全、ネフローゼ症候群、腎性貧血、腎結石、腎がんや、糖尿病の合併症である糖尿病性腎症などが知られています。これらの病気以外にも腎機能を低下させる要因には次のようなものがあります。
- 加 齢・・・腎機能は若い時を100%とすると、年齢を重ねるごとに1%ずつ機能が低下するといわれています。
- 薬 剤・・・非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、抗腫瘍薬、抗菌薬などで腎障害の報告がされています。
- 高血圧・・・血圧が高い状態が続くと腎臓の血管にダメージが加わり、動脈硬化によて腎硬化症を引き起こします。
- 高血糖・・・血糖値が高いと腎臓のろ過機能が障害されます。
- 脂質異常症・・・コレステロール値が高いと腎臓の血管で動脈硬化が起こり、腎血管性高血圧を引き起こします。
◆健康診断を忘れずに
腎機能はいったん低下すると元通りに修復されることはありません。腎臓が機能しなくなると老廃物も排泄されなくなるため、代替手段として血液透析が行われます。血液透析は体への負担が大きいだけでなく、医療費もかさみます。日頃からより健康に気をつけた生活習慣を送ることが大切です。年に1回は健康診断を受けて、自分の腎臓の状態を知っておきましょう。